自然と人の共同作業が育んだ川魚の寿司を賞味する

川魚を使った寿司もまた、富山県の寿司文化の多様性を語る上で欠かせません。

寿司の起源とも言われる発酵食品のなれ寿司、そのなれ寿司が進化して生まれた押し寿司(早なれ寿司の一種)も、海の魚に限らず、豊富な川魚を用いて作られてきました。

アユのなれ寿司

富山を代表する名物のます寿司も、神通川を遡上(そじょう)するサクラマスを使い、江戸時代から作り続けられています。また、現在も盛んに川をのぼるアユを、米と一緒に年単位で乳酸発酵させる保存食のなれ寿司は、さらに古くから根付いてきました。

こうした川魚を使った伝統食を今でも富山では、店で、自宅で、あるいは川べりに持ち出して楽しめる環境があります。目の前の自然の恵みを人の手によって加工して頂く、いわば人と自然の共同作業が色濃く残っている地域なのです。

器に盛られたなれ寿司、押し寿司の一種であるかぶら寿司と、地ビールや地酒

立山連峰や飛騨高地を水源とする県内の複数の河川は、標高の高いエリアから富山湾に向かって一気に流れ下るなかで、扇状地をつくり、山と海の間に巨大な水の循環を生み出しながら、私たちの暮らしを根底から支えています。

同時に、ヨーロッパ人に「滝のようだ」と称されるほど流れの急な富山の河川は、細かい砂や泥の粒子を海まで一気に運び去るため、川底には、粗い砂や石だけが残ります。その清らかな川底の環境こそが、川魚の産卵や生息を許し、豊富な川の幸を富山にもたらしてきました。

川魚の寿司には、同じ水系の扇状地で育てられた富山県産の酒米を使う地酒が実に良く合います。成政酒造〈成政 佐々成政(赤)山田錦 純米吟醸酒〉はその代表格です。

川魚の寿司と、同じ水に育まれた米から生まれた日本酒を、川の流れに耳を澄ませながら、川べりに持ち込んで賞味する、そんな体験もまた、一興です。

問い合わせ先

富山ます寿し協同組合

住所:富山市丸の内2丁目4-17

連絡先:076-421-1424
問い合わせ先

成政酒造

住所:富山県南砺市舘418

連絡先:0763-52-0204
写真:中島健太

(※急流の写真のみはフリー素材)
Masayoshi Sakamoto

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Food & FUUD MAP

このマップは、富山の地質、食文化、そして寿司スポットをひとつにまとめたものです。