寿司は、はしを使って食べるべきですか?
寿司を食べる際、はしを必ず使わなければいけないわけではありません。しかし、正しい使い方を知っておくと、寿司の楽しみ方が広がり、堂々と振る舞える上に、よりおいしく味わえるはずです。
寿司は、はしを使って食べなければいけないわけではありません。しかし、はしを正しく使って食べられるようになると、寿司の体験はより深まり、味わいも増していくでしょう。はしの持ち方やマナー、寿司に適したはしの種類が気になる方に向けて、この記事では、はしを使って寿司を食べる方法について分かりやすく解説します。
大前提:はしで食べても手で食べてもいい

寿司を食べるときは、はしでも手でもどちらで食べても構いません。特に、はしの扱いに慣れていない外国人の場合、遠慮せずに手で食べても大丈夫です。
ある民間の調査によると、日本人の約7割は、はしを使って寿司を食べているようです。しかし、寿司職人の多くは、手で食べても構わないと感じている様子。現に、富山県氷見市にある名店〈成希〉の店主・滝本成希さんに取材で話を聞くと「手でもはしでも、好きなように食べてもらって構わない」と教えてくれました。

もし、手でつまんで食べる際は、寿司を横に方向け、上(ネタのある側)と下(シャリの側)からそっとつまむように持ち上げるといいと滝本さんは語ります。握り寿司は、縦(上下)方向の圧力に強いため、その持ち方のほうが形を崩さずに食べられるからだとか。
繊細で柔らかい握り寿司は崩れやすいため、むしろ手で食べる方が適している場合もあるとの話。著名なグルメジャーナリストなども、手で食べる方が壊れやすい寿司を扱いやすいと認めています。
寿司をはしで食べる方法
手で食べてもはしで食べても構わないという基本のマナーを理解したうえで、それでも手を使いたくない場合は、はしを使ってください。
寿司は、縦(上下)方向の圧力に強い特徴があります。はしを使う場合も、寿司を横に傾け、上(ネタの側)と下(シャリの側)から優しくつまんでください。
持ち上げたら、ネタの面だけに醤油(しょうゆ)を軽くつけます。ご飯は醤油を吸いやすく、つけすぎると味が濃くなり、塩辛くなってしまうため注意してください。
正しいはしの持ち方:ポイントとコツ

はしの正しい持ち方を学ぶ際には、日本の幼稚園や保育所で子どもたちに指導されるはしの持ち方が参考になります。まず、1本のはしを親指、人差し指、中指で、ペンを持つように握ります。
次に、もう1本のはしを、親指と人さし指が描く円の隙間に、最初の1本と並べて差し込み、薬指で支えて固定します。

はしで寿司や料理をつまみ上げる際には、上のはしだけを上下に動かして食べ物を挟みます。下のはしは、安定した土台として物を支える役割を果たします。
はしで寿司を食べる際のマナー
はしの使い方には、たくさんのマナーやタブーがあります。本格的な寿司屋で食事をする場合、はしを正しく優雅に使いたいです。落ち着いた雰囲気に合った所作ができるはずだからです。
まず、最も注意すべきタブーとしては、自分のはしから誰かのはしに料理を渡す行為が挙げられます。ご飯にはしを突き立てるといった行為も慎みたいです。これらの行為は、葬式の作法を連想させます。
他にも、マナー違反とされる行為がたくさんあります。はしで器をたたく、はしをかむ・なめる、器や皿を動かすためにはしを使う(はしで器を引き寄せる)、はしで人を指差す、器の上にはしを渡す(橋のように置く)などは避けたほうが良いとされています。
もちろん、海外からの旅行者であり、はしに慣れていない外国人のマナー違反に対して、多くの日本人は目くじらを立てません。それでも、幾つかの基本的なポイントを知っておくと、よりリラックスして、堂々と食事を楽しめるはずです。
寿司とはしに関するよくある質問
「Chopsticks」を日本語ではなんと呼ぶ?
「Chopsticks」は日本語で「箸(はし)」と呼ばれます。寿司を含むほとんどの日本料理ははしで食べられています。
伝統的なはしは、軽くて丈夫な木で作られ、漆塗りで仕上げられています。現在は、プラスチックで作られるケースも多いです。
寿司に最適なはしは?
寿司に最適なはしの1つとして、利休箸(茶道用のはし)を挙げる専門家も少なくありません。両端が細く、中央部分がやや太くなっていて、バランスと操作性に優れたはしです。本格的な寿司店や日本料理店でよく使われています。ただし、最終的に、はしのチョイスは各店の好みによります。
品質に優れた日本のはしはどこで買える?
日本を旅行すれば、道中のお土産店で、品質に優れたはしを購入できます。空港、駅、観光地などで広く販売されています。日本には、はしメーカーが各地に点在していて、地域ごとの木材や伝統技法を使ったはしが、お土産として扱われています。
はしの使い方を知れば寿司はもっとおいしくなる
はしを正しく使えるようになれば、心置きなく寿司を楽しめるようになるはずです。逆に、使い方や持ち方を間違えると、握りが崩れたり、寿司のご飯が醤油(しょうゆ)を吸いすぎたり、寿司そのものの味が台無しになってしまう場合もあります。
もし、はしの使い方に自信がなければ、ためらわずに手で食べてみましょう。寿司職人に歓迎されるだけでなく、場合によっては手で食べた方が、通の寿司ファンであると周囲に示せるかもしれません。
身の回りでおいしい寿司を食べたい場合は、こちらの地図「寿司ニアミー」もご覧ください。
写真提供:中島健太
参考文献
巽好幸、土田美登世『富山のすしは なぜ美味しい』北日本新聞社
講談社インターナショナル『The Kodansha Bilingual Encyclopedia of Japan』
川原和久『読む寿司オイシイ話108ネタ』文藝春秋
岩波書店『広辞苑』
平凡社『改定新版 世界大百科事典』
観光庁『Sushi JTA Sightseeing Database』
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