ベニズワイキャンディー

独創的な発想でありながら、寿司の定義から外れていない、完成度の極めて高いスイーツ寿司

海✖かためる

富山県射水市新湊地区にあるオーベルジュ〈AKAMA TOYAMA〉の樋口文也シェフ考案のスイーツ。新湊産のベニズワイガニの殻から抽出した濃縮だしと、赤酢、米あめを薄く固めたキャンディーで、ポリポリと割って口に運ぶと、キャンディーの甘みの後に、ベニズワイガニのうま味と余韻、酢の酸味が重層的に追いかけてくる。

一般に、寿司とは「酸し」を意味する言葉で、魚と米を使って乳酸発酵させた酸っぱい食べ物(なれ寿司)から始まったとされる。その後、歴史の過程の中で、発酵過程をスキップするために酢の酸味を代用するようになり、早寿司(押し寿司や握り寿司)が生まれていった。

「ベニズワイガニという海産物、酢、米由来の米あめを使っている時点で、自分にとっては寿司のカテゴリーに入る」と樋口シェフが語るように、ベニズワイガニキャンディーは寿司の定義から外れていない。「酸し」の語源にたがわず、甘みとともにじんわりと酸味が伝わってくる。

「殻から取れるうま味を、寿司の文脈の中でどう成立させるか」という感覚で組み立てた独創的な「寿司」ではあるが、完成度は極めて高く、寿司文化の懐の深さを感じさせる一品である。

店舗データ

AKAMA TOYAMA

住所:富山県射水市中央町1-3

営業:公式ホームページより要予約

シェフデータ

樋口文也・・・和食料理人の父のもとに生まれ、料理の手伝いを通じて食の世界に親しんできた。本格的な料理の道へは15歳で進み、箱根の高級旅館・きたの風茶寮でキャリアをスタート。その後、六本木割烹一献に移籍し、副料理長を務める。現在は、オーベルジュ〈AKAMA TOYAMA〉のシェフとして腕を振るうかたわら、出張料理など幅広いスタイルで料理活動を展開している。

写真:中島健太
Masayoshi Sakamoto

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このマップは、富山の地質、食文化、そして寿司スポットをひとつにまとめたものです。