寿司とはなに?寿司に使う種類や材料、寿司の歴史とは

寿司は、世界の多くの人に「酢飯と新鮮な魚介を使った日本料理の一種」として知られています。本記事では、寿司を初めて知る海外の人たちに分かりやすく、「寿司とは何か」を紹介します。

寿司は一般に、日本の伝統的な料理の一種として認識されています。酢飯に、さまざまな魚介を組み合わせた食べ物=寿司と考える人も多いのではないでしょうか。

一方で「カリフォルニアロールも寿司なの?」「寿司には実際、どのような材料が使われているの?」「そもそも寿司とはどんな食べ物なの?」などと、寿司に関する素朴な疑問をもつ人も世界には多いようです。

そこで、この記事では、これから寿司を知りたい初心者に向けた、気軽で親しみやすい入門ガイドとして「寿司とは何か」を紹介します。

寿司とはなに?

寿司は、日本の伝統的な食べ物です。実際には、さまざまな種類がありますが、日本国内、および世界で最も知られている寿司と言えば、握り寿司の印象が強いのではないでしょうか。

握り寿司は、少量の酢飯の上に、生や調理した魚介類、貝類、加熱した卵などの具材をのせて、手で握って完成させる食べ物です。日本国内の場合、カウンターのある寿司店や和食レストラン、回転寿司店だけでなく、身近なスーパーマーケットやコンビニエンスストアでも購入して楽しめます。

どんな食べ物が寿司なの?

なれずし。寿司の一種で、寿司の原形とも言える

もともと寿司は、魚を発酵させた保存食としてその歴史が始まっています。捕れた魚を、米と塩と一緒に漬け込んで、数カ月間、場合によっては1年以上発酵させた食べ物です。

この初期の保存食は「なれずし」と日本では呼ばれます。東南アジアや東アジアで誕生した保存食とされており、千年以上前に日本へ伝わってきたと考えられています。当初は、発酵に使った米は捨てられ、発酵した魚の部分だけが食べられていました。

現在の握り寿司は、このなれずしを起源にもち、より早く、より手軽に食べられる進化した食べ物として、江戸時代に生まれています。

「寿司」とは本来どのような意味を持つ言葉なの?

「寿司」という言葉は、古い日本語「酸し(すし)」に由来しています。「酸っぱい」という意味を持つ言葉で、初期の寿司が、発酵させた魚と米で作られていたため、その特徴的な酸味が、料理名の由来になったとされています。

この「酸し」という音に合わせて日本では、さまざまな漢字が当てられてきました。最も一般的な表記は「寿司」です。「寿(す)」は祝いや長寿を意味し、「司(し)」は司るという意味をもち、全体として、縁起の良い印象を与えるとされています。

「鮨」という字もあります。語源に関しては幾つかの説があります。「鮨」の文字がもともと、塩漬けや発酵した魚介類を指していたという説。他には、「鮨」の漢字がかつて「マグロ」を意味していたからだという説もあります。

さらに「鮓」と書かれる場合もあります。この漢字は、発酵した魚を意味しており、寿司が本来、保存食として発展してきた背景を物語っています。

何の材料で寿司はできているのか?

寿司には長い歴史があり、さまざまな種類がありますが、最も象徴的な存在とされる握り寿司は、酢飯の上に、生魚、加熱した魚、調理した魚、あるいは玉子焼きなどの具材をのせて作られます。

寿司の一種である巻き寿司は一方で、軽くあぶった海苔(のり)の上に酢飯を広げ、魚介類、きゅうりなどの野菜を具材として巻いた食べ物です。

地域によって異なりますが、同じく寿司の一種であるちらし寿司は一般に、寿司おけなどに盛った酢飯の上に、生または加熱した魚介類、野菜、細切りにした錦糸卵などを散らして仕上げます。

寿司の種類と分類

寿司は大きく分けて、2つの系統に分類できます。1つは、長期間の発酵を必要とする寿司、もう1つは、発酵を行わない寿司です。

前者は、魚を保存するために時間をかけて発酵させ、酸味や独特の風味を引き出す伝統的な寿司の形態と言えます。一方で後者は、酢を使って発酵の工程を省き、比較的短時間で作る寿司を指します。

寿司の種類ごとの主なスタイル

発酵を伴う寿司の系統には、次のような寿司があります。

  • なれずし(発酵させた魚の寿司)
  • 生なれずし(発酵させた魚と米の寿司)

生なれずしは、「生(なま)」と「なれずし」を組み合わせた言葉で、発酵期間が比較的短い特徴があります。後の時代には、風味づけのために酢が加えられるようになり、魚だけでなく米も一緒に食べるようになりました。

一方、発酵期間を設けず、すぐに食べる寿司は「早ずし」と総称されます。酢を使うために長期発酵が不要で、さっぱりとした酸味を保ちながら手早く作れる食べ物へと寿司は変化していきました。この変化が、現代の握り寿司につながる重要な転換点となります。

早ずしには、次のような種類があります。

  • ちらし寿司
  • 押し寿司
  • 握り寿司
  • 巻き寿司

寿司の歴史

なれずし(右・中央)と、押し寿司の一種かぶら寿司(左)

寿司は、現在知られているような「生魚を使った料理」として始まったわけではありません。

寿司の最も古い形態は、東南アジアや東アジアで生まれた魚の保存食です。魚を長期間保存するために、塩と米に漬け込んで発酵させる方法が用いられてきました。この段階では、米は食べず、あくまでも発酵に必要な材料として使われてきました。

この発酵による保存方法は、やがて日本へと伝わり、8世紀の文献にはなれずしとして登場しています。なれずしは、米とともに数カ月、場合によってはそれ以上の期間をかけて発酵させ、魚のみを食べる保存食でした。

その後、日本では、魚と米の両方を食べるようになります。室町時代(1336〜1573年)には、「生なれずし」と呼ばれる半発酵の寿司が登場しました。発酵期間は、数日から数週間と短くなり、米が溶けずに残るため、一緒に食べるようになりました。

押し寿司の一種であるみょうが寿司。早寿司に分類される

さらに時代が進むと、長期間の発酵の代わりに酢を使う方法が広まりました。発酵の工程を省きつつ酸味を加えられるようになったため、より短時間で寿司を作れるようになったのです。この変化によって、酢飯と具材を型に入れて押して作る押し寿司などの「早ずし」が生まれました。

19世紀初頭、江戸時代になると今度は、握り寿司が誕生しました。華屋与兵衛という人が考案したと一般に考えられています。酢飯を手で握り、その上に新鮮な魚介をのせる握り寿司は、忙しい江戸の町民の暮らしにマッチし、瞬く間に人気を集めました。

当初、握り寿司は江戸を中心に広まりましたが、約100年をかけて日本各地へと普及し、さらに世界へと広がっていきました。現在では、カリフォルニアロールやスパイシーツナロール、寿司ブリトーのような独自のアレンジも各国で生まれています。

寿司に関するよくある質問

寿司と刺身の違いは何ですか?

寿司と刺身の違いは明確です。寿司(握り寿司、巻き寿司、ちらし寿司、押し寿司)は、魚介類と共に酢飯が一体となって提供される料理ですが、刺身は、スライスされた魚介類単体で提供される料理です。

寿司のネタは全て生魚ですか?

原木シイタケを使ったビーガン寿司の一例

寿司は、必ずしも生魚を使うだけの料理ではありません。調理した魚や野菜のみを使った寿司もあります。卵焼き、煮穴子、シイタケなども寿司の代表的な具材です。

カリフォルニアロールは寿司に含まれますか?

カリフォルニアロールは寿司に含まれます。具材をまとめるために酢飯が使われており、日本の巻き寿司をベースに発展した寿司の一形態です。

寿司は中国料理ですか?

寿司は中国料理ではありません。握り寿司のような「早ずし」は、日本で独自に生まれた料理です。ただし、なれずしのような発酵を利用した古い寿司の原形には、現在の中国を含む東アジアや東南アジアと共通する文化的背景があります。

寿司、握り、巻きの違いはなんですか?

「寿司」は、さまざまな形式を含む、食べ物としての寿司の総称です。「握り」や「巻き」は、握って作る寿司、巻いて作る寿司というように、いずれも寿司の一種を表現する言葉です。

「寿司」とは日本を代表する酢飯を使った食べ物

寿司にはさまざまな種類があります。世界的に有名な握り寿司はその一種にすぎません。握り寿司を愛してやまない人こそ、巻き寿司、ちらし寿司、押し寿司など、あらゆるスタイルを試してみると良いでしょう。

身の回りでおいしい寿司を食べたい場合は、こちらの地図「寿司ニアミー」もご覧ください。

写真提供:中島健太
参考文献

巽好幸、土田美登世『富山のすしは なぜ美味しい』北日本新聞社

講談社インターナショナル『The Kodansha Bilingual Encyclopedia of Japan』

川原和久『読む寿司オイシイ話108ネタ』文藝春秋

岩波書店『広辞苑』

平凡社『改定新版 世界大百科事典』

観光庁『Sushi JTA Sightseeing Database』
Masayoshi Sakamoto

SHARE to SNS

Food & FUUD MAP

このマップは、富山の地質、食文化、そして寿司スポットをひとつにまとめたものです。